室蘭のまちづくり情報 ~ 市民が行うまちの活性化(室蘭市)

めぐり逢い

北海道の都市の大部分は、少子・高齢化と産業構造の変化により、人口の減少が進み“中心市街地の活性化”を課題としていると言っても過言ではない。

今回とりあげる室蘭市は、その現象が顕著なところである。昭和30年代に繁栄していた室蘭駅周辺地区、とりわけ『中央町』は、空き店舗だらけの商店街が存在し、行きかう人もまばらで、俗にいう『シャッター通り商店街』の名前がピッタリなところです。

そんな中、数人の市民と行政マンが立ち上がった。「空き店舗だらけのまちに人を呼び込みたい」「かつての栄華をもう一度体験したい」。「活性化の呼び水を捜そう!」を合言葉に動きだした。

20219年夏、そんな彼らは札幌の荒井純一氏と巡り合った。その時のいきさつは、また別の機会でお話しするとして、その巡り合いが、市民の手で行うまちの活性化に急速に結び付く。そんな夢の様な話をしよう。

救世主 現る

荒井氏は札幌で音響会社の社長を行っており、出身は登別市。高校時代には友人同士でよく室蘭まで出かけていたとのことで、室蘭の華やかな記憶を持っていた。そんな荒井氏が、室蘭のまちづくりの有志と知り合った。話題は当然室蘭の活性化だった。「何とかしたい」という熱意に動かされた荒井氏は、趣味のアートを活用したまちづくりが出来ないか思案した。そんなか、その荒井氏と知り合ったのが私である。3者三様の希望・考え方が結び付いたのは、意外とあっけなく簡単であった。

室蘭の市街地には、昭和の初期のころ建てられた歴史的な価値があるが使われていない建物が沢山ある。この建物にアートを置きギャラリー化したものを数か所つくり、それをまち歩きしながら訪れることはとても魅力がある、やってみよう! 室蘭の芸術祭が誕生した瞬間である。

私がアドバイスしたのは、次のようなことだった。❶歴的な建築物を見て回るのは「まち歩き」に繋がり、まちの良さの発見に繋がる。❷まちの良さの発見は、まちを好きな人を増やすことに繋がり、継続的なまちづくりができることになる。❸いろいろな人を巻き込み芸術イベントとして実施すると、注目度が上がり、活性化の効果が高くなる。

鉄と光の芸術祭2021

 『鉄と光の芸術祭2021』が誕生したのはこのような経緯からでした。それでは、その内容を見てみましょう。「北海道洞爺湖周辺の情報共有サイト「むしゃなび」の記事を紹介します。 



さて、これに纏わるエピソードは、たんまりありますが、それは次回ご紹介します。

                                   <続く>

木端会

北海学園大学工学部建築学科同窓会 (こっぱかい)